朝の太極拳は動き始めて5〜6分すると身体に恍惚感が芽生えはじめ、終わる頃にはこの世のものとは思えないような、至福の恍惚感に包まれます。
マラソンでもランナーズハイとか、登山ではクライマーズハイというように、苦しさがピークを迎えると生理的な防衛作用としてホルモンの作用によって恍惚感が表れますが、恍惚感が表れるまでは結構長い時間がかかります。
太極拳は套路において逆腹式呼吸が自然に行われ、無意識に呼吸が深くなったとき、そしてゆっくりと動く太極拳の動作により、特に吐く息が長くなったときにに副交感神経が大いに刺激されます。
副交感神経が刺激されると、脳波にアルファ波が活発になることはわかっています。その活性化により、脳幹から前頭前野に伸びている別名恍惚神経といわれているA10(エーテン)神経が刺激され、快感ホルモンが分泌されて、脳は安定の極致に達し、恍惚感をあじわうことができるのです。
毎日朝の套路が楽しみなのも、この恍惚感のおかげもあるかもしれません。
又、太極拳の恍惚感は、套路をやっているときよりはややかげりますが丸一日持続します。